
「芝居のあとで観てくれた人に、どうだった?って聞くのは愚の骨頂よ!」
養成所に通い始めた頃、大先輩がおしゃっていた言葉。
確かに、『どうだった?』と聞かれれば、はてな?と思った内容でも、「頑張ってたね−」とか「お稽古大変だったでしょ」とか、時には「素敵な衣装だったねぇ」…なんてね。幾許かの激励に通じてしまう訳です。余程近しい人であれば気になったところを指摘して下さるでしょうが、反省会でもない限り、ダメ出しなんぞ頂けません。
であるからして、表現者の「どうだった?」は褒め言葉を催促しているようなもので、そんなこと汗をかきかき訴えるものではない−と、はぁ、実に同感です。
10人で作った今回の芝居。著名な役者さんや事務所の社長達がご覧になりながらも、特にダメ出しや感想を述べる時間は持たれませんでした。すぐにオリジナルを演じながら、他の役者を入れて台詞を持ち込んで展開を変えていくという新しい検証での訓練に移ったのです。発想力のない者、言語能力を発揮できない者は、バッタバッタと斬られて(この場合、舞台上から降ろされて)しまいます。怒涛のような板の上で、頭を切り替えていく緊張感と爽快感に漂います。ここでも相当な主張を求められるので、終わった後はぐったりです。消耗?いえいえ、体得でした。
さて、オリジナル。
「先程の地震の影響で電気系統に支障が出た模様です。只今担当の者が対応しておりますので少々お待ち下さい」とエレベーターガールの案内。しかし、10分経っても何の進展もありません。急かされて何度も外部と連絡を取っていた彼女の表情が、突然、凍りつきます。連絡が途絶えてしまったのです。ギャル達はうろたえるエレベーターガールを執拗に責め、その言葉に乗って全員が彼女に「責任を取れ、なんとかしろ」とそれぞれの事情を押し付けます。「どうにかできるならとっくにやってます!私ばかり責めないで下さい!」と爆発してしまう彼女に、とうとう全員は黙り込み…。
…当初はですね、ドラマはここで終わりでした。元々短い芝居を作ることになっていたので、ドタバタと勢いで終わらせてしまう段取りだったのです。でも実際に台詞を組み立てていると、どうもすっきりしない。人間が人間を演じるはずが、気持ちの流れが不自然。そう、物語の本筋が甘かったんですね。どういうストーリーにしたいか、このシーンでこの人物はどうするのかを曖昧にしたままでは、芝居など成立しません。当たり前ですが、自分の手で作ってみて初めて実感するのです。そして、話は膨らみ…。
男の子が問いかけます。「ねぇ、開かないの−?デカレンジャーみたいに開けてよ−」手にはしっかり握りしめた小さなヒーロー。「そっか、開ければいいんじゃん!」とギャル達は扉に向かいます。長い爪を折りながらも大騒ぎする彼女達を、サラリーマンは「扉が壊れたらどうするんだ!」と制止。最初は紳士ぶり、徐々にエレベーターガールを責め、仕舞いには人の行動に口だけは出してくる彼に、「何もしないで静かにしていることがいいことなのかよ。おじさんみたいなのを偽善者って言うんじゃねぇのか」と若い娘は遠慮なく思いをぶつけます。そしてサラリーマンは思わず彼女達に手を出してしまうのです。つかみ合いになりかけたところで「勝手にしろ」と彼は輪から外れ、そのまま傍観者と化します。
…気持ちの流れは人間としての本質を追及しつつも、見せて聞かせていく上で「芝居の嘘」は盛り込まれます。よくあるケースとして、当然相手とは対面して話しているのに役者は客席側に向かって喋るとか、狭い部屋の中の設定なのに声を張って距離感が普通でないとか、暗転した途端に10年経過しているとか。今回はですね、それぞれのキャラクターを短時間に見せていく為、その時メインの演じ手にスポットが当たるよう、あえて周りの人々は大きく介入しませんでした。また密室であるにもかかわらず動作や声もメリハリをきかせています。このギャルとサラリーマンのシーン、周りは一歩引いてハラハラしている状況にして、特に3人には絡みません。少し現実感がないようですが、「嘘」を使って見せていく代表的なやりとりでしょうか。
突如サラリーマンを押しのけて、ずっと黙りこんでいたOL風の女性が扉に向かって猛進してきます。これには娘2人も身を引くほど。女性は悲痛に何か叫びながら扉を叩きますが、何を言っているかさっぱり分かりません。とにかく外に出たい様子。怪我をしそうなくらい力任せに扉にすがりつくので、ギャル達は彼女を支えるように自慢の爪も顧みず、再び苦戦を始めます。そんな時、後方からぼそぼそと不機嫌そうな声が。
…さて今度の問題児は誰でしょう。
次に登場するのは、ふくれっ面に長台詞を朗々と仕掛ける役でして、当人は色んな文句をとめどなく吐いて止まらなくなります。よーく街や電車でこうしてもめている方々を見かけますが、振り返ってみればもちろん、私にも該当する場面はある訳です。そんな苦い経験を、ご覧の皆様にも感じて頂きながら。
またもや、つづく。

RELEVE (るるべ) |
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レオタードの趣味が悪い?そう?脚はもっとあがるからねっ。 『RELEVE』はフランス語で「高く持ち上げる」の意。ダンス用語では爪先立ちで全身のバランスを保つことなの。この状態から、まわりもの(回転)など多くの振りが生まれるのよ。でも『PLIE(プリエ…かがむ動き)』をしっかりやらねば、『ルルベ』に芯は通りませぬ!身長はもう157cmより高くならないけど、これからも私なりの世界を広げてゆけるかしら、って…そんな名前。 本籍:大分 血液:B 愛読書:TARZAN 座右の銘:いつも心に青空を。 | |