
先日関係者向けに、10人の役者で短い芝居を作って発表する機会がありました。原案、脚本、制作、演出を自分達で組み立て、もちろん配役もこなすのが今回の課題。
まるごと芝居をつくるのは各人にとって初めての作業でした。
あらすじはこうです。
とあるデパートの昼下がり。エレベーターガールはひたすらフロアを案内中。各階からは様々な客が乗り込みます。デート中の男女、サラリーマン、OL、ギャル達、親子連れ、得意客らしきマダム。最上階から順に止まり、1Fに到着したと思われたその時、突然の振動とともに急停止。電気故障で扉は開かず、しばらく待つも修復はおろか外部との連絡さえ途絶えてしまいます。エレベーターガールと9人の乗客がそれぞれの言葉と態度で互いの距離を感じ合い、扉が開くまでの密室の様子を芝居にしたものです。
途中、台詞や人物設定を変えると本筋が大きく動いてしまう。何度本を書き直したことか。最終台本があがったのは本番3日前でした。途中キャスティングも変更し、全員で通しができたのは前日のみ。スケジュール調整も容易ではなく、体力的にはくたくた…。なぜこんな地味なことに何十日もかけ、飽きもせずに取り組めるのだろう。

それは「主張」と「変化」があるからです。
様々な訓練と持ち前のセンスで豊かに発想し、基本技術も押さえ、それぞれが主張する力を持つ。その上で、ぶつかり、立ち止まり、挑戦を重ねると、作り手の意識と芝居の中身がどんどん変化していきます。感覚を研ぎ澄ませて取捨選択した言葉は私達の肉体から離れた時、自由に遠くへと行き来するのです。
「こうしたい」という思いをしっかりにらんで、しかるべき時に伝えるという表現の根っこは、すぐに育つものではありません。大人になったって、「誰かがやってくれるだろう」、「みんなが同じだからいいや」と何事も自ら動かずにやり過ごしたり、「こんなことして変に思われたらどうしよう」、「どうせ自分を理解してくれる人なんていない」と信じることから逃げてしまったり。毎日の生活の中でいつの間にかこれらを選び、主張することを忘れます。そんなことは…ないでしょうか?少なくとも私はまだ戦っています。そして、時に自分の言葉が「わがまま」なのか「管理」なのか分からなくなります。実際に今回、この台詞でこの展開でと投げ合う時、うまくいかない場面では右か左か判断できない日がありました。でも、これまでのように黙り込んで事態を俯瞰から見下ろしてはいられない。ちょっとした思い付きやわずかな言葉でも一歩踏み込むことで、きっかけは新しい流れを生み、話の中で人物が生き、演じ手の結束が肌で感じられます。身体の芯が熱くなり心が震える瞬間は、ずるい私からは生まれないことが今回よく分かりました。
そう、私はずるく生きてきました。
分かっていてもすぐに手を上げない。思っていてもすぐに意見を言わない。幼い頃からずっと。
「人のつくったものを沢山観て、聴いて、感じることだよ」
今年の春、別の打ち上げでの話。その時は当たり前の日常をあらためて繰り返された気がしたけれど、さて、ほんとうに私は自分が触れる多くの事柄を、日々全身で受け止めている?私のずるさが少し溶けたのだとしたら、それは人と、本と、ちゃんと向き合って耳を傾けようとしているからかな。いまさら、、なんですけどね。
若い2人の娘はエレベーターガールへ悪口雑言。皆も口々に責めるので、新入社員の彼女は業務を投げ出さんばかりに爆発してしまいます。サラリーマンはギャルへ忠告をしますが、徐々にかえって口だけの偽善であることを彼女らに指摘される結果となり決裂。どうしても閉所恐怖症を克服したくて乗り込んだOLは、自分の行動を深く悔います。カップルの女性はここに来たのが間違だったと日頃の不満を男性にぶつけ始め、誕生日パーティーを控えていた親子は一日を台無しにされた思いに駆られた不満ばかり。マダムは得意客専用エレベーターが点検中だったことにこだわって不快感をあらわにします。そして…。
さて、現実だったらこの後どうなるんでしょうね。
ひとまず、つづく。
RELEVE (るるべ) |
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レオタードの趣味が悪い?そう?脚はもっとあがるからねっ。 『RELEVE』はフランス語で「高く持ち上げる」の意。ダンス用語では爪先立ちで全身のバランスを保つことなの。この状態から、まわりもの(回転)など多くの振りが生まれるのよ。でも『PLIE(プリエ…かがむ動き)』をしっかりやらねば、『ルルベ』に芯は通りませぬ!身長はもう157cmより高くならないけど、これからも私なりの世界を広げてゆけるかしら、って…そんな名前。 本籍:大分 血液:B 愛読書:TARZAN 座右の銘:いつも心に青空を。 | |