お城のある街で、生まれ育ちました。
姫路城って分かります?一応、世界文化遺産になんて
指定されちゃってるんですけど…その名のとおり
姫路っていう、兵庫県の西のはしっこに位置する市に
ちょこんと…いや、堂々とそびえ立っているんです。
こんなこと言っちゃうのも何なんですけど
姫路城って、本当にステキなんですよ。
そりゃ古いものですからね、階段の傾斜は急だし
「近代的」なんてことからはかけ離れた建物なんですけど
何ともいえない「歴史」が感じられる。
静けさの中、目を閉じて耳を澄ましてみれば
「殿!大変でございます!」なんて言いながら
急な階段を駆け上がったお侍さんの呼吸が聞こえてきそう。
奥の間で侍女に髪を梳かしてもらっている
千姫の笑顔が見えてきそう。
そんな場所なんです。
姫路で暮らしていた高校生の時までは
何で毎日、たくさんの人が観光に来るのか
全然分かりませんでした。
私にとって姫路城は、生まれた時からそこに
当たり前に存在するものだったので
何のありがたみもないものだったんですね。
でも、姫路を離れて暮らしてみて分かったんです。
自分がお城に、どれだけの安心感を与えられていたかを。
今、私が姫路に帰った時
いちばん最初に出迎えてくれるのは、姫路城なんですよね。
新幹線の車窓からお城が見えるとほっとする。
「ああ、帰ってきた」って無条件に思える。
雨の日も風の日も必ず
変わらぬ姿で、そこに立っている。
「よく帰ってきたね」って受け止めてくれているようで
その度に、涙が出るくらいの安心感に包まれるのです。
「ちょっと帰ってみるか」
なんて感覚では帰れないくらい、遠い場所ですが
いつも私を見守ってくれていると感じられるくらい
私にとって、近い大きな場所でもあると思っています。
今度帰れるのはいつになるか分からないけど
東京で、羽目をはずして遊んでしまうことも多いけど
姫路城と姫路の街はきっと
おおらかな気持ちで私を迎えてくれる。
そう信じたりしています。